尾張の和菓子ものがたり

〜尾張に息づく和菓子の『ものがたり』を巡る旅〜

尾張名古屋には、和菓子職人の高い技術と精神があり、それを丁寧に愛でる人がいて、和菓子の歴史と伝統が現代に生きていることを知りました。神話や和歌に基づくお菓子から、お店に脈々と継がれる心意気を表現したものまで、その幅の広さには驚きました。昔の味を守りながらも新しい味を創り上げようという気概も感じます。
今回の企画では、お店の骨格となっている味を、お店の方が改めて振り返る機会にしていただきたいという思いがありました。昔のものや長く愛されてきたものには、大切なヒントが隠されているはず。伝統を守りながらもシンプルな味わい深さを追求した和菓子は、本当にお見事でした。 やっとかめ文化祭期間中は、これら和菓子を巡る旅ができるとのこと。お店の“佇まい”と“匂ひ”も和菓子の味わいのうちですので、ぜひお店を訪れて、そこに息づく歴史とものがたりを和菓子とともに味わってください。私もお邪魔できることを楽しみにしています。

暮らしに和菓子が息づく名古屋。
その背景には、お店ならではの語り継がれたエピソードや想いがあるはずです。
ものがたりを知って食べると、さらに美味しく感じるから楽しい!
「やっとかめ文化祭」の期間限定!
尾張の和菓子ものがたりを巡る旅、さぁさ、はじめましょう。
は、山本益博さんのコメントです。

は、山本益博さんによる銘をご希望された商品です。

1
青柳総本家 大須本店
昭和6年に販売を開始した当時の黒外郎を限定復刻しました。懐かしく香しい黒糖の風味と、米粉のもっちりとした優しい食感です。手で材料を計り、手で型に入れて蒸すという作り方まで、完全な手作りで昔のままです。

菓 銘黒外郎
価 格648円(一棹)
黒砂糖の香りが豊か。口の中でその香りと甘みがゆっくりと広がっていく。余韻が心地よし!「黒柳」という銘はいかがでしょう。
名古屋市中区大須2-18-50/TEL 052-231-0194/水休み 10:00〜18:30/鶴舞線「大須観音」駅から徒歩5分
2
一朶
尾張徳川家の御用菓子屋・桔梗屋。その流れをくむ当店で、桔梗屋の「谷川」を復刻させました。山間のせせらぎから、小さな岩を下流へとおろしていく。その眺めを写し取った「谷川」に、銘を付けていただきました。

菓 銘崇徳院(すとくいん)
価 格210円
もっちりした食感であるのに食べると清涼感。香り味わいともに品格がある。

「瀬をはやみ岩にせかるる瀧川の別(わ)れても末に逢わんとぞ思ふ」の作者名から。
名古屋市南区豊田1-28-5/Tel 052-618-8555/不定休
10:00開店〜売り切れ次第/名鉄常滑線「道徳」駅から徒歩6分
3
尾張名古屋 亀屋芳広本店
歴史の町「あつた」に本店を構え、郷土に関わる史跡銘菓を作り約70年。今でも七里の渡しから眺める景色は見晴らしが良く、往時に思い馳せながら作っております。当店の創業者も同じ思いでこのお菓子を作りました。

菓 銘七里の渡し
価 格140円
あんと求肥ときな粉の優しいバランスが印象的です。
名古屋市熱田区伝馬1-4-7/Tel 052-671-3707/無休
8:30〜19:30、日祝〜19:00/名城線「伝馬町」駅から徒歩1分

4
川口屋
茶席の炉開きのお菓子で、銀杏と柿を入れているのはおそらく当店だけ。秋の実りをイノシシが食べてお腹に持っているイメージです。
料理屋から嫁いできた母による、商売屋の縁起担ぎの思い出とも繋がっています。

菓 銘亥の子もち
価 格320円
あんの穏やかな甘みと香り、ここに柿と銀杏が加わって秋たけなわ。季節感を大切にする和菓子の典型!
名古屋市中区錦3-13-12/Tel 052-971-3389/日・祝・第4土休み 9:30〜17:30/東山線・名城線「栄」駅から徒歩5分
5
御菓子司 川村屋
秋のお茶席の定番、ふきよせは、落ち葉を箒で集めたら、木の実や銀杏の葉っぱなど、いろいろな秋の風景があったところからその様子を切り取って干菓子にしたものです。特別に6種類一組2名様分セットで協賛販売いたします。

菓 銘ふきよせ
価 格648円
食感の違い、甘みのインパクトの差があって見た目だけでなく楽しめる。「里の秋」と命名したいお干菓子。
名古屋市中区新栄2-18-1/Tel 052-262-0481/日・祝休み 9:00〜18:30/東山線「新栄町」駅から徒歩5分
6
御菓子司 桔梗園
国産栗一粒をこし餡で包み、薯蕷生地を虎模様に焼き、香ばしく仕上げています。これは3代目の寅年の祖父が作り始め、祖父から伝わった味を守っています。この虎模様は蒸す前につけるのですが、他にはない焼柄だと思います。

菓 銘白虎(栗薯蕷)
価 格220円
虎模様の姿が美しく、栗とあんこと薯蕷のバランスがいい。栗の存在感!ほどよい甘さ!
名古屋市港区名港1-20-13/Tel 052-661-1448/日休み 9:00〜19:00/名港線「築地口」駅2番出口隣

7
御菓子司 菊屋
昭和9年創業、父から継いで50年。米粉・砂糖・浮粉の単純な材料だからこそ、分量、水加減、蒸し時間が難しく、今やっと9割の満足度です。今日売れる分だけ作るので、日持ちはせいぜい5日。朝は熱々が並びます。

菓 銘菊屋のういろ「うつろい」
価 格430円(一棹)
食感が美しい!溶けてゆくと次第に香りがひろがってゆく。ういろのイメージを超えたういろ。

春は桜、夏に抹茶、秋は黒砂糖、冬に白。季節のうつろいをイメージ。
名古屋市中区葵2丁目14-21/Tel 052-935-3873/不定休 9:30〜19:00/東山線「千種」駅4番出口から徒歩5分
8
御菓子司 菊屋茂富
干潟の波と千鳥をデザインし、阿波和三盆糖を用いた口どけの良い干菓子です。鳴海潟とは鳴海〜熱田あたりの干潟の名前で、万葉集にも登場します。当店の一番古い干菓子の型で、先々代が作ったと伝わっています。

菓 銘鳴海潟
価 格65円(1個)
堅さに比べて口どけが良く、和三盆が溶けると甘みだけでなく香りが豊かにひろがってゆく。
名古屋市緑区鳴海町相原町28/Tel 052-621-0130/火休み 9:00〜19:00/名鉄本線「鳴海」駅から徒歩5分
9
尾張菓子 きた川
昭和39年創業当時から、職人によって継いできた手焼きせんべいです。製造は年に1回あるかないかで、長期間お待ちいただいたご予約のお客様のみで完売してしまうことも。今回は特別に限定販売させていただきます。

菓 銘福乃舞(ふくのまい)
価 格1,080円(一包み)
落花生の香りが豊かで、食感があり、口どけが快い。素朴な姿と顔つきは、わたしのお気に入り!
名古屋市北区大杉3-14-7/Tel 052-911-3710/火休み 8:30〜18:30、日・祝〜15:00/名鉄瀬戸線「尼ケ坂」駅から徒歩4分

10
きよめ餅総本家
江戸中期、熱田神宮近くに設けられたきよめ茶屋で人々は道中の疲れを休め、姿勢を正してから神前に向かいました。その茶屋にちなんで後世きよめ餅を売り出しました。創業当時とほぼ変わらない製法でお作りしています。

菓 銘きよめ餅
価 格600円(5個入り)
こしあんと羽二重餅の食感が見事に共鳴。甘みが強すぎず弱すぎずジャストではないでしょうか。
名古屋市熱田区神宮3-7-21/Tel 052-681-6161/無休 8:30〜18:30/名鉄本線「神宮前」駅から徒歩3分
11
雀おどり總本店
野趣あふれる素朴な味わいは、かしこまらずに日常的に秋を感じていただけると思います。
先代より前からあると聞いており、少なくとも50年以上は作り続けています。その日に食べてもらえる分だけ作っています。

菓 銘芋ういろう
価 格500円(一棹)
サツマイモの香りと甘み、控えめな黒砂糖。独特の食感のういろう。
名古屋市中区栄三丁目27-15/Tel 052-241-1192/無休 10:30〜19:00/名城線「矢場町」駅から徒歩3分
12
大黒屋本店
安政元年(1854年)創業の当店が、4代目より始めた甘味喫茶の看板商品。吉野葛と多良間島産黒糖の黒蜜を使用しています。オーダーが入ってから作るため、少しお待ちいただきますが、美味しい出来たてをお出ししています。

菓 銘本くずきり吉野
価 格930円(抹茶orコーヒーor紅茶付セット)
出来たてならではの食感が素晴らしい。黒糖の香りが豊かで印象的。

吉野の葛と自家製の黒蜜を使っていることをきちんと表現。
名古屋市中区錦3-19-7/Tel 052-971-2873/日・祝休み 10:00〜21:00/東山線・名城線「栄」駅1番出口から徒歩3分

13
つくは祢屋
そぶくめとは、日本武尊の妃の名前。当店はかつて熱田神宮の門前にあり、今でも創業当時と同じという思いを込めて、江戸時代から伝わる菓子を作り続けています。わらびときな粉を使った素朴な味わいをお楽しみください。

菓 銘そぶくめ(曽福女)
価 格1,512円(一箱)
大豆の香り豊かな香りに包まれたきな粉に、素朴にして奥行きのあるお菓子。わたしのお気に入り!
名古屋市昭和区阿由知通2-5-4/Tel 052-741-1481/水休み 9:00〜18:00/鶴舞線・桜通線「御器所」駅から徒歩6分
14
納屋橋饅頭万松庵 大須万松寺通店
納屋橋まんじゅうのこしあんを元に炊いたこしあん玉を、高級寒天にくぐらせた一品。万松庵二代目夫婦が開発したと伝わっております。職人の技術の結晶で、甘ったるくなく、バランス良く仕上がっていると思います。

菓 銘つぼ
価 格720円(6個入り)
こしあんの絹のような舌ざわりと口どけの良さ、寒天の出来も上々で、シンプルにして上等な”あんこ玉”。
名古屋市中区大須2丁目6-11/Tel 052-201-7884/無休 8:00〜18:00/鶴舞線「大須観音」駅から徒歩5分
15
御菓子司 不老園正光
3代前の5代目時代に、男兄弟がそれぞれに分かれて不老園を出店したのですが、このお菓子はその時の長男さんの店で作られていたもの。そのお店は今はなく、当時の思いを継いで、当店でも長く作り続けています。

菓 銘歌ごよみ
価 格1,080円(10個入り)
堅さと口どけがよく、品の良い甘み。余韻が美しい。歌ごよみ「雪月花」となさったらどうでしょう。
名古屋市中区古渡町11-32/Tel 052-321-4031/水休み 9:00〜19:00、日〜16:00/名城線「東別院」駅から徒歩5分

16
覚王山 不老園
初代が創業時の嘉永元年(1848年)より作り始め、お茶うけのお菓子として地元に愛されているロングセラーです。作り方はほぼ昔のままで、あんを小麦粉の皮でふんわり包み、蒸すだけ。心を込めて作っています。

菓 銘不老饅頭
価 格150円
あずきと小麦粉の不思議な相性の良さ!手を加えすぎずシンプルに仕上げた味が食べ手に伝わってきます。
名古屋市千種区末盛通1-31/Tel 052-751-6232/日休み 8:00〜19:30/東山線「覚王山」駅4番出口横
17
万年堂
昭和24年創業時よりの人気菓子。口どけの良さを追求するため、季節や湿度によって乾燥が難しく、水を垂らすだけで溶けていく繊細な仕上がりです。名前はおちょぼ口のイメージで、可愛らしいという意味です。

菓 銘おちょぼ
価 格864円(一箱)
口どけが優しく、その舌ざわりはビロードのよう。甘みの余韻が柔らかく、しかも切れはいい。
名古屋市東区東桜2-17-21/Tel 052-931-1234/日休み 9:00〜18:00/東山線「新栄町」駅から徒歩1分
18
御菓子司 美濃忠
20年前に初めて作ったお菓子で、10年前に一旦お休みしたままになっていたものを、今回限定販売いたします。伊勢芋、白小豆あん、黄身あん、柚子を使い、表面をわざとひび割れさせて、秋を表現しています。

菓 銘貴王子(きおうじ)
価 格324円
芋・あずき・黄身あん・柚子のバランスが良く、優しく穏やかな女性のイメージ!軽い食感と淡い口どけで余韻が長い。
名古屋市中区丸の内1-5-31/Tel 052-231-3904/元日休み 9:00〜18:30/鶴舞線・桜通線「丸の内」駅から徒歩3分

19
むらさきや
国産栗の時期に作る定番のお菓子。栗蒸し羊羹の上に蒸しパンのようなカステラが載っている名古屋独特のお菓子で、どこか懐かしい印象を持たれるのではないでしょうか。栗とカステラがとてもよく合っていると思います。

菓 銘栗蒸し羊羹
価 格367円
栗蒸し羊羹とカステラの組み合わせはグッドアイデア!相性もとても良い。
名古屋市中区錦2丁目16-13/Tel 052-201-3645/日・祝休み 9:00〜17:00(土〜15:00)/東山線・鶴舞線「伏見」駅から徒歩1分
20
もち観
第15回全国菓子大博覧会が名古屋で開催された際「荒子の人に愛される御菓子を」と、当時の荒子観音寺のご住職に相談、製作し、全国菓子大博覧会金賞牌を受賞。
地元荒子の方の手土産として使っていただいています。


菓 銘円空大黒天もなか
価 格110円
円空を想わせる最中の姿がいい。粒あんのぎっしり詰まった最中で小型ながら満足感あり。
名古屋市中川区荒子町宮窓12/Tel 052-361-0595/木休み 8:00〜20:00/あおなみ線「荒子」駅から徒歩7分
21
餅文總本店 餅屋文蔵の店
「わらび餅」と「ういろ」の食感を合わせ持つ新食感は、わらび餅のみずみずしくとろける食感と、餅文ういろの特徴である”もっちり感”を両立させるのが、一番難しいところでした。セントレア開港に向けて開発した商品です。

菓 銘わらびういろ
価 格648円(5個入り)
わらび餅とういろうの見事なコラボ。双方の持ち味を生かしている。素敵なネーミングです。
名古屋市熱田区池内町5-12/Tel 0120-039-516/元日休み 9:00〜18:00/JR「金山」駅から徒歩20分

22
両口屋是清 栄店
江戸時代より徳川家に伝わる菓子見本帖「御蒸菓子御見本」から復刻した『竜田流し』。煉羊羹と上南羹で竜田川に流れる紅葉の風景を表現しました。今回は山本さんに銘を付けていただき、栄のお店で特別限定販売いたします。

菓 銘千早ふる
価 格388円
秋の時期にぴったりの風情あるお菓子。お茶が美味しくいただけそうです!

「千早ふる神代もきかず龍田川 からくれないに水くくるとは」在原業平の龍田川を詠んだ和歌より
名古屋市中区栄4-14-2/Tel 052-249-5666/元日休み 9:00〜19:00(喫茶・ギャラリー10:00-18:00)東山線・名城線「栄」駅13番出口から徒歩1分

期 間
10/29(土) ~11/20(日)
内 容
参加店舗には、創業当時に作られていたお菓子の復刻、またはずっと作り続けられているロングセラー商品のどちらかでエントリーをしていただいております。ここに掲載されているエントリー商品は、期間中、各店舗にてお買い求めいただけます。
参加店舗
青柳総本家 大須本店、一朶、尾張名古屋 亀屋芳広本店、川口屋、御菓子司 川村屋、御菓子司 桔梗園、御菓子司 菊屋、御菓子司 菊屋茂富、尾張菓子 きた川、きよめ餅総本家、雀おどり總本店、大黒屋本店、つくは祢屋、 納屋橋饅頭万松庵 大須万松寺通店、御菓子司 不老園正光、覚王山 不老園、万年堂、御菓子司 美濃忠、むらさきや、もち観、餅文總本店、餅屋文蔵の店、両口屋是清 栄店
(全22店)

※価格はすべて税込価格です。
※限定販売のため時間によっては完売している場合がございます。
※掲載はアイウエオ順となっております。

協力:名古屋生菓子工業組合青年会、(公財)名古屋観光コンベンションビューロー