芸どころ 名古屋舞台

伝統エンターテイメントを、炎が揺れる幽玄な舞台で。前へ戻る

ろうそく能能楽

照明などなかった時代と同じように、揺らめく炎の中で演じる「ろうそく能」。 ろうそくの灯りが生み出す光と影。 わずかな灯りに浮かび上がる能面や金糸銀糸の装束…。幻想的で幽玄な能楽の世界は、しばし日常を忘れさせてくれます。 「でも、能や狂言は、敷居が高くて…」などと思わないでください。 能はいわば日本発のミュージカル、 狂言は気楽に笑って楽しむコメディ。 日本が誇る伝統的エンターテイメントを、ろうそく能でぜひ体感してください。

Pコード:438−840

日 時 11月8日(土) 14:00〜
会 場 名古屋能楽堂
入場料 指定席 3,000円
自由席 一般 2,000円 学生 1,500円

能 「国栖(くず)」シテ:衣斐正宜(宝生流)

はるか昔、天武天皇と大友皇子が皇位を巡って争った壬申の乱は、天武天皇が勝利を収めました。その勝利に大きく貢献したのは、尾張の豪族尾張氏でした。その壬申の乱を題材とした「国栖」。大友皇子に都を追われ、吉野に落ち延びた大海人皇子(天武天皇)は、川舟に乗った老夫婦と出会い、根芹と国栖魚(鮎)を供されます。皇子の食べ残した魚を川へ放つと魚が生き返り、これは皇子にとって吉兆だと喜ぶ夫婦。追手が迫ると、夫婦は皇子を舟に隠し、敵を追い払います。 夜が更けたころ、天女が現れて舞を舞い、蔵王権現も現れ、天武天皇の世の到来を祝福します。

ろうそく能ならではのみどころ
大海人皇子が歩む日暮れの山道の、暗さや心細さ。ろうそくの明かりは、鮎を捕る舟のかがり火を思わせます。皇子を隠した舟を探られまいとするスリリングな場面でも、闇は効果的。そして圧巻のラストシーンでは、優雅で美しい天女の舞と、蔵王権現の激しい迫力ある舞の対比も、見る人を楽しませてくれます。

狂言 「棒縛(ぼうしばり)」シテ:野村又三郎(和泉流)

自分の外出中に二人の家来に酒を飲まれぬよう一計を案じる主人。太郎冠者の両腕を棒に縛り、次郎冠者の手も後ろ手に縛りあげ出かけていきます。それでも何とか酒を飲もうと、苦心の末、互いに飲ませあう方法を見つける二人。酒盛りをはじめ盛り上がっているところに主人が帰ってきますが、二人は一向に気づかずに…。

ろうそく能ならではのみどころ
舞台となる酒蔵内部は、能舞台と同じく闇の中。そこで盗み飲みという秘密を共有する召使いたち。闇の中だからこそ、主人が帰ってきたのも気付きません。そもそも、太郎冠者が縛られる棒術の型も、夜道を警戒しながら歩くための「夜の棒」なのです。主人と酒好きの家来との知恵比べが楽しい演目です。
やっとかめ文化祭「ろうそく能」特別協賛事業
名古屋能楽堂 展示室特別企画展 「世襲面打ち家 発祥の地 越前から世界へ…」
~伝統芸術能面 越前桑田家初代能忍 二代能守親子と弟子伊村元抄(女流作家)による能面展~
11月1日(土)~11月25日(火) 9:00~17:00(最終日は15:00まで) 入場無料

チケット取扱いチケット9月4日(木)発売

上へ戻る